『あかね空』 [Books]
雑誌の特集で、歴史小説が取り上げられていた。司馬遼太郎は好きなのでよく読んでいるが、他の著者の小説はあまり読んだことがなかった。
今回は、山本一力さんの『あかね空』、山本さんといえば自転車好きでも有名、関係ないけど、前の支店長の山本さんも自転車好きだったなー。
江戸時代の人情たっぷりの物語、江戸時代って、幕末から歴史小説に入ってしまった人にはなんだか、平和ボケみたいな印象があったが、日々生活してくなかの悩みやら、考えていることは今と何も変わっていないんだなと感じました。
しばらく江戸時代をさまよってみようと思います。
次は、鬼兵犯科帳かな?
「心にナイフをしのばせて」 [Books]
以前にどこかの書評で取り上げられていて、すっかり忘れていたが文庫本になったので
早速読んでみました。
読んでよかったなーと思える本でした。今年のベスト5に入ります。まだ4月ですが・・・
28年前に起こったもう一つの「酒鬼薔薇」事件の被害者家族を追ったノンフィクションです。
最近猟奇的な事件がおきるとマスコミはこぞって、「一体何が彼(彼女)をそうさせたのでしょうか?」「加害者には何があったのでしょうか?」みたいな取り上げられ方をするが、その報道の仕方に違和感を感じていた。
一体何があれば車で人につっこんだり、だれでもいいからといって人を殺したり、するのだろうか?
逆に何か正当な理由や原因があれば、そのようなことをしても許されるのでしょうか?
自分にはそんなことは想像もつきません。
著者は、あとがきの中で
「神戸の「酒鬼薔薇」事件のように、異常な事件が起こると、われわれはさまざまな角度から、犯人の心理を忖度しようとする。しかし私は、異常な犯人の心理など到底理解できるはずがないと思っている。異常な心理を理解できるのは、その人が異常だからだ。普通の人にできるのは理解する努力をするまでで、われわれには努力をしてもその先に空疎な闇が広がっているだけで、わかり得るはずがないのである。」
被害者の心理を理解しようとし、犯罪の原因を社会環境が原因だと決めつけようとする報道や、
残虐な事件現場の内容を詳細に報道する姿勢はいい加減にやめて欲しい。
それにしても被害者は無念でならない。痛感しました。
『少女』 [Books]
図書館で予約していて、二ヶ月ほどしてようやく借りることができて読んでみました。
本屋大賞を受賞した作家の「告白」に興味があったのですがとりあえずこの本が先になりました。
自分は本は好きなのですが、ミステリーは昔から得意ではありませんでした。
この本を読んでみて、やっぱりミステリーはだめだなと思ってしまいました。
読んでいて、登場人物が誰だか分からなくなってしまいます。
「人が死ぬところを見たい」と主人公はいっていますが、なんかストーリーというか
発想が飛んでいるというか、あまり親近感を持てずに最後まで進んでしまったという感じでした。
「告白」も予約しているので、そちらを楽しみにしています。
『江戸の備忘録』 [Books]
著者は歴史家である、史書を読み解き歴史の事実を教えてくれる。
江戸時代の人相学では、<若きうちに、髪の生え際、ほどよくはげ上がる者は発達早し、運気強し>。つまり、若ハゲは強運であり、逆に<年よりて髪あつく、額はげざるものは・・・年寄る程、運悪くなるべし>だそうだ。
あとがきより
うつりかわりのある運命の世にあって「しっかり生きる」とは、どのようなことなのか、よくは分からない。しかし、史書のなかをみると、たしかに、しっかり生きた人がいるように思う。この国の歴史をひもといていくと、ほんとうに涙がでるような、美しい生をまっとうした人物を目にすることがある。
それが、この本のタイトル、江戸の備忘録、「これは忘れてはならない」と感じたことが書き留められている。
歴史は面白い。
『F-22はなぜ最強といわれるのか』 [Books]
F-22はなぜ最強といわれるのか ステルス、スーパークルーズなど最新鋭戦闘機に使われるテクノロジーの秘密に迫る (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 青木 謙知
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 新書
戦闘機に特別興味があるわけではないのですが、
新聞の書評に紹介されていたこともあって読んでみました。
この技術があればなんでもなんとかなるのではないのかと感じてしまう、
戦争のための戦闘機である必要があるのかなと感じてしまった。
しかも一台あたり200億(最近は少し安くなっているようだが・・・)
戦争のためではなく、他のことに使えたらいいのに
でもこんな戦闘機を操縦するパイロットの能力のことを思うと
気が遠くなる、一体どれだけの訓練と才能が要求されるのだろうか?
『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言』 [Books]
カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 村上 龍
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/02
- メディア: 文庫
テレビ東京のカンブリア宮殿の金言をまとめた、文庫
一人一人の放送分が短く読みやすかったです。
でも、村上龍のまえがきが一番ぐっと来ました。
「事前にゲストの資料を読んでいて、いつもわたしはまず絶望に似た感慨を持つ。自分はとてもこんなに努力できたい、と思ってしまうのだ。・・・・・そして、そんな努力を払えない自分にまず絶望して欲しい。だがその絶望は、長い努力を払える対象や目標に出会ったときに、必ず希望に変化するはずだ。」
金言として心に残ったもの
堀場製作所の堀場さんの一言
「天は二物を与えないと言っているが、その裏には必ず一物は与えている。その自分の一物をいかんなく発揮できれば、必ずオンリーワン、ナンバーワンになれる」
それ以外にもうーんとうなってしまう経営者の言葉が多かった。
「よその社長はいいこと言うなあ」
『アダム・スミス』 [Books]
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)
- 作者: 堂目 卓生
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
アダムスミスといっても、経済学者であって、「神の見えざる手」で知られている。需要と供給により価格が決定し、自由経済および経済成長によって国が富んでいくといったような事を言っていたような気がする。
しかし、この本を読んで印象はまったく違ったものになった。
「道徳感情論」からは、幸福とは平静と享楽にある。そして、心を平静に保つためには、「健康で、負債がなく、良心にやましいところがない」ことが必要であると。
この本にそんなことが書かれているとは最初は思っても見なかった、もっと経済よりの内容かと思っていたので正直驚いた。サブタイトルに、「道徳感情論」と「国富論」の世界とあるから、人間性と経済の2本が主題となっている。
結局、耐震偽装や食品偽装とかで人をだまして金儲けしても幸せには、なれないということ。
心を平静に保ち、良心にやましいことがない人生を歩みたいものだと強く思いました。
『古代文明と気候大変動』 [Books]
古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)
- 作者: ブライアン フェイガン
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/06/04
- メディア: 文庫
最近、地球温暖化の問題が大きく取り上げられているが、報道やニュースでの取り上げ方には、なんか違和感を感じることが多い。
地球環境問題にはそれなりに関心があり、関連の本も随分読んできたが、現在の地球温暖化(気候変動)は、人為的な産業活動の影響なのか、地球誕生から繰り返されている、温暖化と氷河期の気候の変動の揺れの影響なのか、さまざまな意見がある。
その議論は、置いておき、この本は、過去の気候大変動が、人類にどのような影響を与えてきたのかという二万年もの壮大な記録である。
いかに人類の活動に、気候の影響が大きいか改めて認識させられる。それにもう1つ、「この20世紀が地球の歴史のなかでも稀に見る気候に恵まれた一世紀だった」ということ。
このような認識の上で現在の気候変動を改めて論じる必要があるのではないかと思わずにはいられない、一冊でした。
『私はなぜ、逮捕され、そこで何を見たか。』 [Books]
私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。 (講談社文庫 し 82-1)
- 作者: 島村 英紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
何気なく買って読んで見たけど、読んでよかった。
「裁判員制度」が始まる前に是非読んで欲しい本です。
いまのままの裁判ではいろいろと問題があり、
その問題の解決のひとつが「裁判員制度」なのかも知れない。
東京の刑務所の食事は、最低で
北海道の刑務所の食事は、最高らしい。 納得・・・